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中にひとが入っているしミニーちゃんとかいう彼女がいるのはわかっている、でもミッキーはめちゃくちゃカッコいい。

「5日ひま?」

「5日?あーその日はね、ディズニー行くんだ」

「え、みこちゃんディズニーとか好きなの?」

「うん。好きだよ。って言っても行くのは年に3回くらいかな~」

「へえ」

「なに?」

「だってさ、ディズニーランドって入場料高くない?売ってるものも無駄にめっちゃ高いし」

「うーん、まあ、そうだね、でもたのしいし。行ったら絶対わくわくできるし。非日常を味わえるっていうか。夢の国だもん」

「行ってなにすんの?」

「えー、アトラクション乗ったり、なんか食べたり、パレード見たりショー見たり。運が良ければキャラクターに会えたりするし」

「へえ。ミッキーに会えたらうれしいの?」

「うれしいよ!!ミッキーまじすごいから。ハハハッて笑って手振ってるだけじゃないから。楽器もできるしダンス超上手いし魔法もかけられるから。マジ惚れる。男として惚れる」

「はあ」

「うん」

「でもさあ。これ言っちゃなんだけど、中にひと入ってんじゃん」

「そうだね」

「それでも好きなの?」

「とりあえずディズニーランドにいる限りはミッキーはミッキーじゃん。むしろ『中にひとが入ってる』ってみーんなわかってるのに、それでも夢を見させてくれる、楽しませられるのがすごいんじゃん」

「へー。中のひととミッキー、どっちがすき?」

「なにそのいじわるな質問。ミッキーでしょ。中のひとのプロフェッショナルはめちゃくちゃ尊敬するけど、人格とか知らないし。私が見てるのはミッキーだし。ってかミッキー見てるとき、中のひとがどうとか考えないし」

「中のひとがどんなひとなのかな、とか気にならないの?」

「そりゃそう言われれば気になるかもだけどさー、別にきぐるみを脱いでほしいとか思わないかなー。それ以上にイケメンミッキーを拝むのに精一杯で…」

「仮にキャラクターだとしても、ミッキーがかっこいい、男として惚れるわ~ってなるとする。でもさ、ディズニーランドに行ってもみこちゃんだけに手を振ってくれるわけじゃないんでしょ。っていうかもしかしたら目も合わないかもしれないんだし」

「だからさー、確かに惚れるけど、みんなの前で輝いてるミッキーが好きなんであって、別に独占したいわけじゃないんだってば。あーでもミッキーがわたしのためになんかしてくれたらうれしくて昇天してしまうかも。それこそ世界を敵に回すけど」

「その前にミニーがいんじゃん。公開チューしてんじゃん」

「ミッキーとミニーは全世界の公認カップルじゃん!嫉妬してどうすんの!あんなラブリーな水玉マウスに勝てるわけないじゃん。むしろミッキーとミニーのラブラブな姿って憧れだよ。ほっこりするし」

「いや、みこちゃんも十分かわいいよ…ミニーに張れるよ…っていうか気になってるって言ってた佐藤くんはどうしたの。彼を追うほうがよっぽど現実的だと思うけど。話しかけたら確実に目も合うだろうし」

「張るとかないから。次元が違うから。佐藤くんは佐藤くんで気になるから。佐藤くんとミッキーを比べたりしないから。人間とネズミだし。っていうか比べるってその発想にびっくりだわ。ミッキーとミニーが私たちと一緒に授業受けてたらちょっとひくでしょ」

「ふーん」

「あ、でもでも、ディズニーのキャラクターが通う学校とかあったら覗いてみたいよね。ドナルドがサボったりしてさ。もちろん私たちは登場しないよ?彼らだけで完結するディズニーの世界」

「……なんか想像力が豊かだね」

「まあ完全に娯楽だからねぇ。理解できなかったら行かなくても全然いいと思うし」

「ディズニーなんて最後に行ったのいつだろ…5日、誰と行くの?」

「……佐藤くん、と言いたいところだけど誘う勇気などないのでバイト先の先輩と行ってきます…」

「なんだよ。きれいなオチがつくかと思っちゃったじゃん。がんばれ」

「おう」