読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

やりたい放題

つくりばなし

あれ、香水かえた?新しいの? うん、なんかね、もらった。 もらった?だれに? うーん、男。 彼氏? うんん。 え、だれよ男って。 なんかねぇ、おじさん。 おじさん? うん。おじさんって言っても40とかそのへんかな。 なにエンコー? 援交ってwあたしたちもうそんな年じゃなくない? うーんギリギリなラインだね、で、そのおっさんて誰なの。 わかんない。連絡先も知らない。 はぁ? でもねぇ、めっっっっっっっちゃ格好よかったよ。オトナ、ってこういうことを言うんだって感じ。多分私たちくらいの頃は相当遊んでたんじゃないかな。そんな感じ、した。多分この香水も前の彼女が忘れて行ったのとか、そんなんだと思う。 ねぇ、ちょっと待って、いろいろとツッコミどころはあるけど、そんなひとの名前も連絡先も知らないってどういうこと? だって一晩だけってわかってたもん。だから、聞かなかった。 で、どうやって出会ったのよ。 雨の日にさ、 うん。 なんかこの前の、急にどしゃぶりになった夜に、彼氏と喧嘩して、駅のカフェでさ、私傘無くて、しばらく雨宿りして、どうしようかなぁって思ってたらさ、まぁ傘買えばよかったんだけどね、そのおじさんに話しかけられたわけ。 ナンパ?エンコーじゃんやっぱ。 そういう感じじゃなかったんだって。 そんで? そんでって、そりゃ私も最初は警戒するよ。でもさ、なんかちゃんとしてるひとっぽくて、チャラかったけど。なんか着てるものとかいちいち高そうだし、まあとにかく無駄な自信を感じられたわけ。 変態オヤジ? 多分あんたが想像してるのの何倍も格好いいよ。 へぇ。 それでさ、言うわけ。間に合わせの温もりだけ、頼むよ、凍えそうなんだ、って。 なにそれ。で、なんて返したの。 じゃあ、終電までに雨がやまなかったらいいですよ、って。 はぁ?あんたついていったの? なんか本当に凍えそうでさみしそうに見えたんだもん。結構格好よかったし。次の日休みだったしさ。 そういう問題じゃなくない? うん。でも話してみたら面白いひとだったよ。いろいろしゃべってくれた。なんかさー、笑われたの。俺が若い頃はもっと派手なモンが欲しかったなって。ささやかなしあわせなんて地味だって嫌いだって言ってた。だから結婚しないんですかって聞いたら、適当で派手な夢や野望はいくらでも言えるけど、永遠を誓うほどまだ大人じゃないって言っててさ。十分格好いい大人に見えますよって返したんだけど、結局たくさんお金使っても、強がりとか、プライドとか、そんなもんばっか買ってるって。ただただ毎日働いて、追われて、こうやって無責任にあそんで、いつまでもそんなもんだって。 なんかたのしいのかさみしいのかわかんないね。 そう、私もそう言ったら、君みたいに生きてたら、違ったかもねって。でも消したい過去ばかりじゃないって。今日は君も僕に我が侭言ってみなよって言われた。 で、なんて返したの? じゃあ私と付き合ってくれますかって言った。 はぁ?なんでそんなこといったわけ? わかんない。なんとなく。 で、なんて言われたの? 

僕は君の王子様にはなれない、だって。